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「やってしまった…」の先にある成長。施工管理のミス対応マニュアル【実践編】

■ はじめに

施工管理という仕事に対して、「段取り八分」「段取り命」といった言葉を聞いたことがあるかもしれません。
たしかにその通りです。段取りがすべてを左右すると言っても過言ではありません。
でも、現場というのは“生き物”です。
図面通りにいかない、人が足りない、材料が遅れる、そして――自分がミスをする。
これは未経験者でも、ベテランでも、誰にでも起きる現実です。
このコラムでは、僕が実際に経験したミスやそこから学んだ「リカバリー術」を、
未経験のあなたにも分かりやすく、実践できる形でお伝えします。
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■ よくある施工管理のミス事例【未経験者向けに解説】

まず、どんなミスがあるか知ることが、リカバリーの第一歩です。
以下は、僕自身も通ってきた“あるある”な失敗です。
•材料の発注ミス
→ 数量を間違えて納期に間に合わない。
•職人の手配ミス
→ 作業日に職人が来ない(手配漏れや日付の認識ズレ)。
•伝達ミス
→ 職人に指示したつもりが、伝わっていなかった。
•検査日を忘れていた
→ 工程が丸一日ストップする原因に…。
どれも、最初は「焦って頭が真っ白になる」レベルですが、
冷静に動けば立て直せます。
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■ リカバリー術①「まず深呼吸。そして全体を確認」

未経験の方ほど、ミスに直面したときにパニックになります。
でも、最初にやるべきことは「全体像の把握」です。
•どこで何が止まっているか
•誰に影響が出ているか
•代替案はあるか
これらを紙に書き出すことで、頭が整理されます。
たとえばこうです:
□ ミス内容:○○の納品が遅延(2日後になる)
□ 影響:○○の作業ができない
□ 優先順位:型枠を先にやることで1日はカバーできる
□ 対応:型枠職人に順番変更を相談→電話
可視化すると、次にやるべきことが明確になり、ミスから立ち直るスピードが上がります。
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■ リカバリー術②「即報告・即共有のクセをつける」

僕も「ミスを隠したくなる」ことが何度もありました。
でもこれは、絶対にやってはいけない行動です。
早めに報告すれば、
•誰かが知恵を貸してくれる
•他の工程でカバーできる案が出る
•信頼が失われない
など、プラスに転じる可能性があります。
僕が現場で心がけているのは、
「10分以内に3人に伝える」ルール。
現場主任、職人リーダー、事務所の所長。
この3方向に共有することで、現場の“交通整理”がスムーズにいきます。
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■ リカバリー術③「“一緒にやる”姿勢が味方を増やす」

どんなにうまく取り繕っても、現場は人の力で動いています。
未経験者でも、「一緒に対応します!」という姿勢を見せることで、
職人さんも「じゃあ、しょうがねぇな」と助けてくれることが多いです。
逆に、指示だけして自分は傍観していると、信頼は一気に下がります。
僕は過去に配管材料の再発注ミスをした際、
倉庫まで自分で軽トラを借りて運んだことで、
「やるじゃん!」と笑って許してもらえたことがありました。
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■ リカバリー術④「ミスを“仕組み化”で防止する」

最後に、ミスを経験したあとは、必ず再発防止の仕組みを考えるようにしています。
たとえば、
•発注はWチェック(自分+他人)
•スケジュールはGoogleカレンダー+紙の工程表
•職人さんとの確認は必ずLINEで文字に残す
など、ミスを“個人の注意”ではなく、“仕組み”で防ぐようにしています。
これは未経験者こそ最初に身につけてほしい習慣です。
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■おわりに

施工管理はミスのない仕事ではありません。
でも、リカバリー力=信頼構築力です。
失敗を恐れるよりも、
「どう立て直すか?」の引き出しを増やしていくことで、
どんな現場でも頼られる存在になれます。
もし今あなたが不安を感じていたとしても、大丈夫。
ベテランも、皆ミスから始まっています。